Vol.08 ~幸せな気分は、温めた身体の中心からやってくる~
タイ古式&オイルマッサージ「喜楽 」
りなこさん
枝いっぱいに花を咲かせた美しい桜をはじめ、色とりどりの草花が芽吹く春。
今年はコロナウイルスの影響で、お花見どころか外にあまり出られない毎日が続いていますが、今年も変わらず景色を彩ってくれる草花たちをみると、心が和みますね。
でもやはり「行動が制限される」ということでストレスを感じやすくなっていませんか?
「この状態、いつまで続くのかな…」と考え始めると、気が滅入ってしまいますよね。
そこんな時に真似したい、とっておきの方法があります。
お話を伺ったのは、“タイ古式&オイルマッサージ 喜楽 (きらく)”オーナーセラピストのりなこさん。「身体と心は繋がっている。自分を見つめ、いたわることでまた元気に歩き出せる」を信条にサロンを経営しています。 詳しくはこちら
思わずこちらも笑顔になってしまう、人なつっこい笑顔で迎えてくれる、りなこさん。
多くの人が身体だけでなく心までほぐされ、最後には心身ともに整って帰っていきます。
いつもに比べて身体がなまりがち、心も揺らぎがちな今、皆さんもぜひ取り入れてみませんか?
1.朝一杯のお白湯から、一日の終わりの入浴まで。常に身体を温めることを意識する。
“冷えは万病の元。体温を上げると免疫力が上がる!”
ということは皆さんよくご存知のことと思います。もうひとつ、身体が温まるといいことがあるそうです。
りなこさんは言います。
「身体が温まると幸せを感じませんか?」
たしかに…
あたたかいハーブティーを飲んだ時、湯船に浸かった時「ああ、幸せ…」と思いますよね。
りなこさんは毎朝起きたらまず、一杯のお白湯を飲みます。
内臓が温まってホッとすると、朝ごはんもより美味しく感じ、栄養も染み渡るような気がしますね。
お仕事の合間やひと息いれる時は、薬膳茶を飲んでいます。以前【and YOU?vol.06】の取材でも少し触れましたが、薬膳茶は種類によって様々な効能があり、その日の気分や体調に合わせて飲むと身体が喜ぶのだそうです。りなこさんのサロンでもお客様にあった薬膳茶を出しているそうですよ。
お仕事がひと段落したら、首、肩、そしてお腹にあたたかいスチームピローをあてます。
緊張した筋肉たちが、じんわりと緩んでいきます。
りなこさんのお仕事はけっこう力を使うので、頑張った自分の身体の部位をいたわってあげます。
そして、一日の終わりの入浴。ミネラルをたっぷり含んだ塩を湯船に入れて、至福のひと時。お塩には保温や保湿・殺菌効果があるので、一日の締めくくりに、疲れやマイナスな気持ちを浄化してくれそうな気がしますね。
「この瞬間、生きててよかったー!と思うんです。」というりなこさん。
一日のうちに、ちょっとした幸せを何度も感じられる。そして一日の終わりにはこんなに満たされた気分になれるって、素敵だなあと思いました。
2.寝る前は、ストレッチとお腹のマッサージ
りなこさんは寝る前に、必ず身体を伸ばして筋肉をゆるめるようにしているそうです。
このあたりは、さすが“タイ古式マッサージ”(指圧とストレッチを組み合わせたマッサージ)を施す、りなこさんならではの習慣だなあと思います。
眠りにつく前、背中にクッションを挟んで、重力に任せて肩を開きます。
パソコンをよく使う現代人は、肩が内側に入っていることが多いので、このストレッチはとてもおすすめなんだそうです。
「脇も伸ばしてあげるといいですよ。」
とっても簡単ですが、肩を開き腕を伸ばすだけで、なんだか解放された気分になります。
そして、お腹をマッサージ。こちらも、りなこさんがタイ古式マッサージの他に行なっている“チネイザン”という“デトックスセラピー”に通じます。
その考え方では、感情も食べ物と一緒で、内臓で消化されるのだそうです。
喜びは心臓と小腸、心配事は胃、怒りは肝臓、悲しみは大腸…と、それぞれ消化される場所も違っていて、消化できずに溜まった感情によって、内臓の機能が低下してしまうのだそうです。
たしかに、嬉しい時に胸が高鳴ったり、何か心配事がある時に胃が痛い…ということ、ありますよね。
おへそは“エネルギーの入り口”とも言われるそうで、まずはおへその周りをほぐします。
それからゆっくりと、おへその周りを広く触ってみて、硬いところはないかな?と探っていきます。「硬い」と思ったところは感情が溜まっているところ。そこを中心にマッサージすると、内臓が温まり、だんだん心が落ち着いてくるのだそうです。
実際、お腹は内臓が集まっている大事な部分なので、私たち素人が“マッサージ”するには少しハードルが高いのですが…
「大切なのはお腹に手を当てて、自分の身体の声を聴いてみることなんです」と、りなこさんは言います。
「生活していたら、色々な感情がありますよね。知らず知らずのうちにその感情に“ふた”をしてしまっていることって、けっこうあるんですよ」
なんだかドキッとする言葉ですね。
みなさん、寝る前にお腹を触ってみてください。触っているうちに「今日はちょっとイライラしちゃったな」ということを思い出すかもしれませんね。少し嫌な気持ちになりますが、こうやって“ふた”を開けてみることも大事。そのあとは優しく撫でてみてください。
きっとさまざまな感情がほぐれて、翌朝、すっきりとした気持ちで目覚めることができますよ。
3.感情もストレッチする!
“感情は内臓に溜まる”ということから、りなこさんは感情のストレッチも大切だと言います。
感情のストレッチ…?
それは“ストレスを溜めず、良い感情は伸ばしてあげる”ことなんだそうです。
「例えば、カラオケに行って大声を出したり、映画を観て感動することですね!」
歌ってすごい力を持っているなあと思いますが、大声で歌うと気持ちがいいですよね。
りなこさんは渋滞にはまってイライラした時も歌うそうです。イライラがだんだん楽しい感情に変わっていく様子が目に浮かびますね。
そして映画。「このセリフ素敵だな」と登場人物の言葉に心を揺さぶられたり、「このシーンきれいだな」と美しい映像描写に目を奪われたり。そして観終わった後に優しい気持ちになったり。その“いい感情”にどっぷり浸れる瞬間が大好きなんだそうです。
さらに、りなこさんは美味しいものとお酒も大好き。
もちろん、お酒の飲み過ぎは体を冷やしたり肝臓を痛めたりするのでほどほどに…ですが、美味しい料理と大好きなお酒を味わい、気の合う仲間と笑い合いながら過ごす時間…この幸福感に勝るものはないですよね。
「単純に、身体が欲することをそのままやってるだけなんです!」
それが故の、入浴時の「生きててよかったー!」の感情に繋がるんですね。
朗らかで気さくな、りなこさん。マッサージを受けた方は、その技術だけでなく人柄や雰囲気に癒されて帰っていく方も多いそうです。うっかり深い相談までしてしまう方もいるんだとか。
それはりなこさん自身が自分と向き合い、必要のない感情は消化し、良い感情は伸ばしてあげているからなのかな…と思いました。だから人の心の揺らぎにも気づくことができる。
独立しサロンを開いて4年。オーナーとして大変な時期や不安に思うこともあったと言います。
「でもある時から、考えてもどうしようもないことは、考えるのをやめたんです。人生は一度きりなんだから、それよりも、楽しい気持ちになること、改善できる方法を考えたい」
その言葉はさまざまなことが制限されている今、とても心に響きました。
「この状態、いつまで続くのかな…」とやっぱり不安に思いますよね。
その感情はそのまま受け止めて、お腹に手を当ててほぐしてみてください。
あたたかい飲み物を飲んだり、お風呂にゆっくり浸かったり。それだけでリラックスして、消化される感情もあると思います。
そのほか、歌を歌ったり、映画を観たり。
自分なりの楽しいことを思い浮かべてみてください。
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「その人の習慣が人生を創る」とよく言われます。あなたはどんなことを習慣にしていますか?
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「and You?」のコンセプト&経緯はこちらから
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illustratration & text by HISAKO ONO
【イラストレーター 尾野久子】
福岡県出身。映像制作会社勤務を経てイラストレーターとして独立。
想いや考え、価値を伝えるためのイラストレーションをウェディング、ショップ、医療施設、飲食店、TVなどさまざまな媒体に展開しています。
https://lifetalesbyh.com
【今回の企画についてのコメント】
さまざまなことを経験し、紡いできた「その人自身の物語」。
そのかけらをイラストレーションとして表現することで、その人の生き方や価値観を多くの人が知るきっかけになりますように。「こんな人がいるんだな」「こういう生き方もあるんだな」「この人のこの習慣、真似してみようかな」と、この記事が何らかのヒントになれば嬉しいです。
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supported by HOOD天神